Ⅳ. 婦人科(骨盤腔)
1. 子宮頸がん
子宮は、女性にしかない特別な臓器のひとつで、この入り口付近子宮頸部にできるがんを子宮頸がんと呼び、進行した場合は、子宮や子宮まわりの臓器を摘出しなくてはならなくなります。
しかし子宮頸がんは原因やがんになる過程がほぼ解明されており、予防できるがんであり、また、定期的に検診を受けることで早期に発見すれば子宮を失わずに治療できます。
子宮頸がんの発見や、治療・手術のための診断材料としてもMRIは有効です。
2. 子宮体がん
子宮体がんは子宮内膜がんとも呼ばれるように、胎児を育てる子宮の内側の子宮内膜から生ずるがんで、40代後半から60代に多いがんです。
子宮体がんも初期で発見すれば治療成績がよいため、定期的な検診やMRI検査を受けることで早期発見につながります。
3. 子宮筋腫
子宮筋腫とは子宮の筋肉から発生した腫瘍で、良性の疾患ですので命に別状はありません。
しかし、良性だからといって子宮筋腫を軽視するのは危険です。
救急車で運ばれるような激痛を生じたり、子宮筋腫による貧血でめまいや動悸などを生じたり、他の臓器に負担をかけてしまいます。
MRIはこの子宮筋腫とよく似た悪性の肉腫との関連を調べたり、子宮筋腫があって子供を産みたい場合の検査などに使われます。
4. 卵巣がん
卵巣がんは症状は乏しく、がんにかかっても激しい痛みなどを伴わないため、かなり大きながんに進行してもまったく自覚がない場合もあります。
しかしこのがんは早期発見ができれば多くの場合治すことができるがんです。
卵巣がんはMRIなどの画像診断でもある程度の大きさになるまでは発見が難しいがんの一つです。